忙しさにかまけてしばらくコラムを掲載しておりませんでしたが、ここ最近、相続法が40年ぶりに改正され、大幅な変更がありましたので、一つずつご紹介します。
まずは、遺言の種類のひとつで、ご自分ですべて作成するタイプの「自筆証書遺言」が、かなり作りやすくなりました。
これまでは、全文を自書といって、自分で手書きしなければならなかったのですが、今回の改正によって、財産目録と呼ばれる部分(譲り渡す資産の一覧を記載したもの)については、パソコンで作成してもよいし、不動産であれば謄本(登記事項証明書)をそのまま添付してもよいし、通帳などはそのコピーを添付してもよいということになりました。これは不動産の記載方法などで不備が生じてしまうことも防ぐことができますし、かなり簡便になった印象ですね。ただし、自書していない部分についてはすべてのページに署名・押印することを忘れないようにしなければなりません。
さらに、2020年7月10日からは、自筆証書遺言を法務局で保管されることも開始されます。これで、自筆証書遺言の弱点であった、紛失や発見されないというリスクが大幅に軽減されそうです。さらには法務局で保管される自筆証書遺言については、これまでは必要であった家庭裁判所での「検認」という手続きの対象からも除外されるようですので、かなり自筆証書遺言を作るハードルが下がったといえると思います。
遺されるご家族の関係性を想うのであれば、早期に遺言を作成されることをお勧めいたします。